文部科学省 地域イノベーション戦略支援プログラム[グローバル型]

函館マリンバイオクラスター 〜UMI(Universal Marine Industry)のグリーン・イノベーション〜 をテーマとした地域イノベーション戦略支援プログラムは、「計測・予測」「持続的生産」「高機能化」「ブランド形成」の4つの研究テーマを展開し、函館地域の多様な海洋資源・研究集団・高度・大量生産する技術を駆使して、世界レベルのマリンバイオクラスター形成を目指します。

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函館マリンバイオクラスタートップ > インタビュートップ > インタビュー 安井 肇
インタビュー
昆布「博士」は「文理」両道
函館マリンバイオクラスター研究テーマ2 リーダー
安井 肇 北海道大学水産科学研究院 海洋生物資源科学部門 海洋産業科学分野 教授
北海道大学水産化学研究院 海洋生物資源科学部門 海洋産業科学分野 教授 安井 肇
海藻なんてたいしたことない?!
 「海藻なんてたいしたことないと思ってしまえばたいしたことはないんです」。取材の冒頭からとんでもない発言。北海道大学水産学部で海藻の資源増殖と活用を研究している安井肇教授。えっ?と思っていると「でも、活用しようと思って研究してみると健康に良いいろいろな物質を含んでいる大変優れた生物資源ですね」。つまりは目をつけるかどうかで、海藻の価値が格段に変わってくるということのようだ。
 「日本は海藻の活用において突出しており、研究水準でも世界をリードしてきたと言っても過言ではない」とし、その背景として万葉集などの古典を引き合いにだす。
 1200年前に編まれた万葉集や風土記には「ひろめ(=昆布)」や「め(=ワカメ)」についてたびたび記述されており、当時から日本人の生活に海藻が密接に結び付いていたことがうかがえる。反対に欧米では海藻を食べる習慣がほとんどなかった。一部の海洋民族が航海中に栄養源として食べていたという記録はあるが、どちらかというと「海藻なんかを食べるのは野蛮な風習」とされてきたようだ。だが、近年になって欧米人も海藻の価値に気づきはじめ、昆布に含まれる成分の一つであるフコイダンは「ミラクルメディシン(奇跡の薬)」としてもてはやされている。
海藻は弥生人のふりかけ?
 昆布の仲間は地球上に約110種類あるが、そのうち20数種が北海道沿岸に生育している。特に潮の流れが複雑になる入り組んだ海岸では多様な種が存在する傾向があり、函館や道東方面ではその傾向が著しい。「資源豊富な道南の海で育った昆布は1300年以上前から本州に送られていたことが続日本紀の記述からわかります」。そんなに昔からこの地域の昆布が認められていたと聞くと何となく誇らしい気分に思えてきたが、安井教授の日本史ミニ講義は続く。「弥生時代の日本人は稲作をし、米のご飯を食べており、同時に海からは魚や海藻を獲って食べていました。海藻を乾燥させて砕いた塩味の利いたふりかけはご飯によく合う!んですよ」。弥生人が一気に身近に感じられる話だが、日本人と海藻の結びつきがそれほど古いとすれば、今日、日本が海藻活用の研究において世界をリードしているのも不思議ではない。

祖母から"刷り込"まれた−昆布は宝物−
 安井教授は京都生まれ。関西は伝統的に昆布を珍重する食文化で、北海道産の昆布を秘伝のタレに何度も浸けて乾燥させた「塩昆布(しおこぶ)」が高級食材として持てはやされている。同教授の生家でも曾祖母が「北海道で採れたたいへん貴重なおこぶやから」と昆布を立派な缶に入れて大切に保管していた。その扱い振りはあたかも宝物に対するような、うやうやしいものだった。そんな情景を目にして育った少年のうちに北海道産昆布への畏敬の念が宿ったとしても無理はない。こうして、京都で昆布を食べて育った少年は昆布を研究するために北大水産学部にやってきた。この曾祖母の存在がなければ「昆布研究者」安井教授はなかったかもしれない。
冷蔵庫で養殖中の昆布
冷蔵庫で養殖中の昆布
函館から本当に良いものを全国に
 函館には昆布を筆頭に良質の生物資源が豊富にあり、地元での加工や利活用に新たな可能性がもてる土地柄、と熱いエールを送る。「北海道は全体的に資源が豊富なせいで、逆に『なぜ他地域の人はこんなものをありがたがるのか』と思ってしまうところがありますが、格別にいいものを作ってきちんと日本中に送り出していく仕組みを函館モデルとして構築したいですね。バイヤーに『こんなにいいものがあるから見に来たら?』とさりげなく言えるように地域全体で「ものづくり」に取り組むようになれば、住むのも京都・神戸・鎌倉や軽井沢なんかよりも函館のほうがよいかもしれない!と気づく人が多くなると思います」。
25年使い続けているイタリア製の万年筆
愛用の道具
25年使い続けているイタリア製の万年筆。ボローニャという街で作られたもので、本体は今では珍しいセルロイド。手触りとちょうど良い重さが気に入っている。ちなみに、買ってから25年経った今でもインクが吸えなくなると無料で修理してくれるのだとか。

略歴
1955年 京都府京都市生れ 北海道大学水産学部卒業 北海道大学大学院水産科学研究院 助手
現在 北海道大学大学院水産科学研究院(海洋産業科学)教授(海藻学)
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